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コイル封止成形とは

コイル全体を樹脂で覆う成形をコイル封止成形といい、別名オーバーモールドコイルとも呼ばれます。コイル封止成形の定義や概要を解説していきます。

コイル封止成形に期待できること

コイル全体を覆っているため、コイルが外部の環境に左右されず、過酷な環境下であってもコイルの性能を安全に保てます。
コイルを使用する環境には、温度の変化や多湿・水中といった状況もあり、使用を続けるうえで、溶けたり凍ったり錆びたりといった懸念が出てきます。精密な機器であるため、温度や湿度だけではなく、粉塵などの故障の原因を防ぐ必要があります。
また、その他の部品などへの接触を防ぎ、レアショートによる発火を防ぐといった効果もあります。
レアショートは、負荷がかかるなど何かしらの原因で被膜が劣化したり、モーターが動かずにロック状態になることでの発熱などで、巻き線の絶縁破壊が起こり、隣の巻き線と接触してしまう事象です。

コイル封止成形の発展

コイル封止成形の従来の工法では、コイルを保護するために絶縁紙を用いており、コイル同士に空洞がある状態でした。しかし、軟化させた樹脂素材を流入することで、コイルの隙間部分まで充填することになるため、コイルひとつひとつの保護を強化できます。
また、流入する素材も発展しています。絶縁性や耐薬品性の機能を持たせるため、ガラスが入った素材などが起用されているコイル封止成形もありました。しかし流動の抵抗が高いため、成形時に負荷がかかって変形や断線する可能性が高く、特殊加工を施した金型を必要としていました。その金型成形のために、手間とコストがかかっていたという経緯がありましたが、コイル封止成形に使用される樹脂素材にも工夫がされており、コイルの性能は改善・発展を続けています。

コイル封止成形は各形状に対応可能

コイル成形封止は、ボビンコイルや空芯コイル、特殊な巻き線などにも対応が可能です。

コイル封止成形の製造工程

コイル封止成形の製造工程は以下のようになります。

・巻線
コイルをボビン巻線もしくは空芯巻線をします。

・ピンに絡げもしくはケーブルと結線(半田付け含め)
巻線したコイルをケーブルもしくはピンに絡げをします。

・絶縁対策
絶縁テープ、絶縁紙、接着剤等を利用して絶縁対策を行います。

・封止成形
コイルAssyをオーバーモールド加工を行います。

・検査
最後に、外観検査、電気特性の検査や信頼性テストを行います。

以上が、一般的なコイル封止成形の製造工程です。ただし、製造工程はコイルや封止樹脂の種類や形状、サイズによって異なる場合がありますので、参考程度にご覧ください。

コイル封止成形の特徴

コイル封止成形の特徴について解説していきます。

耐水性

コイル封止成形は、耐水性に優れています。精密機器が水に濡れると故障するのは、コイルの銅線部分が水に濡れ腐食することやレアショートの要因となってしまうからです。少しの水滴も入り込まないような構造であり、多湿な環境でも品質をキープできます。

錆びない

耐水性に優れているため、錆びることはありません。コイルの銅線部分が錆びることで、機器の故障の原因となりますが、コイル封止成形によってそのような心配はありません。コイルの抱えていた課題を解決できる大きなメリットです。

薬品に強い

コイル封止成形は、水分だけではなく薬品への耐性にも優れています。製造現場などではさまざまな薬品を取り扱っている工場も多くあります。薬品を取り扱う機器製品のコイルに封止成形コイルを用いることで、機器製品の安全性が保たれています。

耐熱性

高温な環境での耐性も備えております。高温の環境でもコイルを保護し、変形などの心配はありません。

絶縁性

コイルは電気を通すことで電磁エネルギーを生成し、さまざまな機器を駆動させる役割があります。封止成形によって、他のコイルや機器などの通電と絶縁できるため、レアショートの発生要素を無くし、コイルを保護します。

硬化性

封止成形コイルは、樹脂材料を使用することで、硬化性にも優れた性質を持たせることが可能となり、非常に強固で頑丈なコイルになります。

コイル封止成形のメリット

コイルはこれまで、腐食や摩耗などによる被膜の断線や、断線することでのレアショートの発生など、さまざまな課題を抱えていました。コイルを樹脂素材で封止成形することで、多くの課題を解決できるさまざまなメリットがあります。

過酷な環境でも安全性をキープ

コイル封止成形では、使用する樹脂の特徴によって、環境に左右されなくなります。
また樹脂を隙間に流入させるため、放熱性能の高まりや加圧などによる劣化なども防止できます。そのため、通常のコイルでは課題を抱えていた、水中や防塵、薬品などの過酷な環境下での使用でも、安全に使用できるようになります。

耐用年数が伸びる

通常のコイルよりも劣化・摩耗がなくなり、レアショートの発生も防止できるため、故障となる要因を取り除けます。そのため、耐用年数も結果的に伸びることになります。

コストパフォーマンスに優れている

コイル封止成形には、通常のコイルに比べると手間や材料費などがかかるため、コストは高くなります。しかし、封止成形に樹脂を用いることで、機器のトラブルの原因となるコイルの課題を解決できるため、安全に使用できる耐用年数も伸ばせます。結果的にはコストパフォーマンスに優れているといえるでしょう。

コイル封止成形の用途

モールドコイルは、モーターのほか、ソレノイド、電磁弁などの機器に用いられます。

モーター

モーターは、電磁エネルギーによって回転する仕組みがあります。コイルに電流を通すと、磁界が発生します。磁極と反発する力と引き合う力によって、モーターは回転します。
モーターは身近な洗濯機やエアコンなどの電化製品や工業製品など、多くの製品で使われており、生活する上でもっともコイル部品が使われている用途だといえるでしょう。

ソレノイド

ソレノイドとは、モーターと同じように、電磁力によって生成したエネルギーを利用した部品であり、モーターの一種だといえます。
鉄心に銅線を巻き付けたコイルの中を、可動式の鉄芯が上下する構造をしています。銅線に通電して磁界エネルギーを生成することで、可動式の鉄芯が吸い寄せられるように動作します。通電すると可動式の鉄芯が吸引され、電気を遮断すると鉄芯が元の位置に戻る仕組みを利用しています。
ソレノイドは単純な構造で製造できる分、スピードの低減などの制御は困難です。そのため往復運動の動作のために用いられます。家電製品やOA機器、自動ドアなどの製品に使用されています。

電磁弁

電磁弁は英語でソレノイドバルブともいわれます。上述したソレノイドの部分と、弁(バルブ)の部分の構造でできています。ソレノイド部分が動作することで弁を動かして、水などの流れを止めたり弱めたりなどの制御が可能となります。電磁弁は散水機や自動給湯器など、生活の身近な製品にも使用されています。

コイル封止成形は、モーターやソレノイド、電磁弁などに用いられており、それらの電磁部品は、生活用品や工業用品など多くの製品に応用されています。
一般的な空芯コイルやボビンコイルを封止成形することで、水中やガス、高温など外部の環境からコイルの性能を守り、機器を安全に動作させるため大きな役割を果たしています。

まとめ

コイル封止成形について解説いたしました。封止成形によってさまざまなメリットを生み出し、生活用品や工業用品など多くの製品に取り入れられています。機器を安全に長く使えるようになり、劣化などによるトラブルを防ぐ役割があります。封止成形の工法や、材料も進化しており、性能を高めコストパフォーマンスの優れたコイル封止成形が可能となっています。
製造する製品の使用用途や特徴などを考慮して、最適な工法や材料などを組み合わせれば、性能とコストのバランスにも配慮ができます。コイル封止成形の技術は応用力の高いメリットの大きい技術です。

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