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エナメル線の種類と特性

エナメル線

エナメル線の種類と特性

コイルの巻線には、さまざまな種類のエナメル線が使われます。エナメル線の種類にはポリウレタン線(UEW)、ポリエステル線(PEW)、ポリエステルイミド線(EIW)、ポリアミドイミド線(AIW)などがあります。まずはそれぞれの特性を見てみましょう。

ポリウレタン線 (UEW)

  • 特性: 高い電気絶縁特性を持ち、耐摩耗性や耐薬品性も優れています。
  • はんだ付け性: ハンダ付けが容易であり、作業性が良好です。
  • 温度指数: クラスB (130℃) 、耐熱性ポリウレタン銅線では180℃の製品もあります。

ポリエステル線 (PEW)

  • 特性: 絶縁性はやや劣りますが、一般的な要求には十分な性能を持ちます。
  • はんだ付け性:通常ハンダ付けができませんが、一部ハンダ可能なPEW(SPEW、SFPEW)もあります。
  • 温度指数: クラスF (155℃)

ポリエステルイミド線(EIW)

  • 特性: 良好な電気的および機械的性能を持ちます。高い絶縁性能と耐摩耗性、耐薬品性を備えています。また、耐熱性が高く、高温環境下での使用が可能です。
  • はんだ付け性:通常ハンダ付けはできません。ハンダ可能なEIW(SEIW、SFEIW)も存在します。
  • 温度指数: クラスH (180℃)

ポリアミドイミド線(AIW)

  • 特性: 高い耐熱性と絶縁性能を持ち、耐摩耗性や耐薬品性も優れています。また、耐熱性が高く、高温環境下での使用が可能です。
  • はんだ付け性:通常はハンダ付けができません。末端の接合のためには被膜を剥離してハンダ付けを行うか、溶接(ヒュージング)を行います。
  • 温度指数: クラスC (200℃)

絶縁皮膜の厚さ

コイル設計時にはエナメル線の絶縁被膜の厚さも考慮する必要があります。コイルの寸法や要求される絶縁性に合わせて、0種(厚被膜)から3種(薄被膜)まで選択できます。一般的には、2種(標準被膜)が使用されますが、近年ではコイルの小型化が進み、更に薄膜の特注線の需要が高まっています。当社にも実際に3種(薄被膜)よりもさらに薄膜にした特注線のご要望がありました。

エナメル線の規格

エナメル線の規格は、国や地域によって異なりますが、一般的な規格としては以下のようなものがあります。これらの規格は、エナメル線の材料、サイズ、絶縁厚などの特性を定めています。

  1. JIS規格: 日本工業規格(Japanese Industrial Standards)によって定められる規格で、日本国内で使用されます。
  2. IEC規格: 国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission)が定める国際規格で、多くの国や地域で使用されます。
  3. NEMA規格: 米国電気機械製造業者協会(National Electrical Manufacturers Association)が定める規格で、主に北米で使用されます。
  4. DIN規格: ドイツ工業規格(Deutsche Industrie Normen)によって定められる規格で、主にドイツおよび欧州で使用されます。

まとめ

さまざまなエナメル線の種類がありますが、それぞれの種類には耐熱性や耐摩耗性などの異なる特性があり、用途や要件に応じて適切なエナメル線を選択することが重要です。
当社では、お客様のニーズに合わせたコイルの設計支援から2次成形のご提案、加工までワンストップで対応いたします。ご興味やご質問がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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