均一な融着と生産効率向上:ダブルヒーター巻線の採用例
2025-3-10

課題
ボビンレスコイル製造では、一般的に自己融着線を使用した熱風巻線方式が採用されています。しかし、あるお客様が他社の巻線業者に依頼した際、信頼性試験(高温・高圧環境下)でコイルが膨らむという問題が発生しました。検証の結果、以下の課題が明らかになりました。
- 自己融着線のボンディング層が完全に融着せず、部分的に残存している。
- コイルの融着度が当社基準を満たしておらず、信頼性に疑問がある。
後工程でのアニール処理による改善策も検討されましたが、作業工数の増加が大きな障壁となっていました。
解決策
当社では、ダブルヒーターを改造導入することで、熱風ヒーターの融着効果を強化し、接着工程の均一性を向上させました。これにより、自己融着線のボンディング層が均一に溶かされ、コイル全体の融着度が向上。後工程のアニール処理を不要とすることで、作業工数の削減にも成功しました。
効果
ダブルヒーター巻線方式の導入により、以下の効果を実現しました。
- コイル品質の向上
ダブルヒーターと最適化された巻線設定により、ボンディング層の融着が均一化し、常に高品質なコイルを実現しました。 - コイル性能の向上
高温・高圧試験時でもコイルが膨らむことなく、信頼性試験に合格する性能が向上しました。 - 工数の削減
後工程でのアニール処理が不要となり、作業時間の短縮と生産効率の向上を達成しました。
まとめ
ダブルヒーター巻線方式の採用により、コイルの融着が均一化され、品質と信頼性が大幅に向上しました。当社は、常にお客様の要求に応えるべく、最適な製造技術の改善に努めています。品質を落とさず生産効率を向上させるためのご相談は、ぜひ当社のお問い合わせフォームからご連絡ください。