整列巻きの限界に挑戦!自社製巻線機による空芯コイルの検証事例

製造現場では、スペースや性能要件に応じて多種多様な形状のコイルが求められます。中でも、円柱状の空芯コイルはその形状から巻線の難易度が高く、整列巻き(レイヤー巻き)の精度が製品の品質を大きく左右します。
今回ご紹介するのは、「巻幅20.5mmの円柱コイルに、どこまで綺麗な整列巻きが可能か?」という、実際にお客様からいただいたご相談をもとに当社が独自検証を行った事例です。
挑戦の背景には、「プロネックの巻線機が持つ性能の限界を、自社でも確かめたい」という技術者の思いもありました。
検証に用いたコイル条件
- 形状:円柱状空芯コイル
- 線径:Φ0.08mm(極細線)
- 内径:Φ2mm
- 厚み(巻幅):20.5mm(弊社巻線機で対応可能な最大範囲)
整列巻きに求められる要素
巻線工程においては、わずかなズレでも次の層に影響し、美しい整列が維持できなくなります。特に、今回使用したような極細線ではその傾向が顕著です。また、線材自体にもロット差があるため、以下のような微細な調整が求められます。
- 線材の仕上げ状態の確認(ロットごとのばらつき)
- 巻線スピードとヒーター温度の最適化
- トラバース(線を横に送る動き)の間隔調整
これらすべての条件が揃わなければ、整列巻きでの高密度巻線は実現できません。
回転数3,000rpmでの挑戦と結果
本製造フェーズを見据えた条件として、今回は回転数3,000rpmで巻線を実施。
結果として、8,000ターンの巻線まで美しい円柱状の整列巻きが可能であることを確認できました。
※8,000ターンのコイルの白い線のようなものは、引出線を解らせた際の融着被膜です
まとめ:高精度巻線で試作/本製造の課題を解決
プロネックでは、空芯コイルやボビンコイルなど多種多様な巻線ニーズに対応できる自社製巻線機を活用し、お客様の課題解決に取り組んでいます。
- 他社では巻けなかった仕様の試作をしたい
- 高密度での整列巻きを実現したい
- 巻線工程の安定性を確保したい
このようなお悩みがあれば、ぜひ一度ご相談ください。
試作から本製造まで一貫対応できる体制で、プロネックの技術者が直接対応いたします。
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