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NFCの基礎知識:仕組みからコイル設計のポイントまで徹底解説

近年、NFC(Near Field Communication:近距離無線通信技術)は、モバイル決済やアクセス制御、データ通信など、幅広い用途で活用されています。本記事では、NFCの基本的な仕組みや種類、代表的な規格に加え、NFCに欠かせないコイルの設計について詳しく解説します。

1. NFCの基本機能とは?

NFCは、短距離(通常10cm以下)でのデータ通信を可能にする無線技術です。以下のような主要な機能を持っています。

  • データ通信:スマートフォンや専用機器をかざすことでデータの送受信が可能。
  • 認証:アクセス制御やモバイル決済などで安全な認証を実施。
  • 情報取得:NFCタグを読み取り、商品情報やURLを取得。
  • デバイス間通信:スマートフォン同士や、スマートフォンと周辺機器間での双方向通信。

このように、NFCは「かざすだけ」で便利に情報のやり取りができる技術です。

 

2. NFCの通信モードと用途

NFCには、通信モードによって以下の3つの種類があります。

(1) リーダー/ライター モード

NFC対応デバイスがNFCタグを読み取るモードです。

用途例

  • ポスターや商品タグを読み取り、追加情報を取得
  • 交通系ICカードの残高確認

(2) カードエミュレーション モード

スマートフォンがICカードのように動作するモードで、モバイル決済などに利用されます。

用途例

  • スマホを使った決済(Apple Pay、Google Pay)
  • 交通ICカード(Suica、PASMO)

(3) P2P(ピア・ツー・ピア)モード

NFC対応デバイス同士でデータを送受信できるモードです。

用途例

  • 写真や連絡先の交換
  • スマートフォン間での簡易データ転送

 

3. NFCの代表的な用途

NFCは日常生活のさまざまなシーンで活用されています。

(1) 決済システム

  • 電子マネー(Suica、楽天Edy)
  • モバイル決済(Google Pay、Apple Pay)

(2) アクセス制御

  • スマートロック(NFCタグを鍵として利用)
  • 企業のセキュリティカード

(3) データ転送

  • スマートフォン間での写真や連絡先の交換
  • デバイス設定情報の共有

(4) マーケティング・広告

  • 商品タグにNFCを埋め込み、スマホで読み取るとプロモーション情報を取得

(5) 医療分野

  • NFC対応の医療機器のデータ取得(血糖値測定器など)
  • 医療情報の読み取り(電子カルテ)

 

4. 代表的なNFC規格

NFCは用途に応じて異なる規格が採用されています。代表的な4つの規格を紹介します。

(1) NFC-A(ISO/IEC 14443-A)

特徴:

  • MIFARE技術を基盤
  • 100~424 kbpsの通信速度

用途:

  • 交通ICカード(Suica、PASMO)
  • 非接触決済カード

(2) NFC-B(ISO/IEC 14443-B)

特徴:

  • セキュリティ性能が高い
  • 100~424 kbpsの通信速度

用途:

  • パスポート(電子ID)
  • 政府発行の電子証明書

(3) NFC-F(JIS X 6319-4)

特徴:

  • FeliCa技術(Sony開発)
  • 高速通信(212 kbps、424 kbps)

用途:

  • 交通ICカード(ICOCA、楽天Edy)
  • 一部のモバイル決済

(4) NFC-V(ISO/IEC 15693)

特徴:

  • 長距離(数十cm)での通信が可能
  • 低速通信(26.48 kbps)

用途:

  • 在庫管理用のRFIDタグ
  • 産業用途(機器管理)

5. NFCに使用されるコイルの重要性

NFC技術の中核を担うのが「NFCコイル」です。NFCでは電磁誘導を用いてデータと電力を伝送するため、高性能なコイル設計が求められます。

(1) NFCコイルの役割

  • 磁界の生成と受信:NFC通信の基本原理は、送受信機間での磁場のやり取りに依存。
  • 電力供給:パッシブ型のNFCタグに電力を供給。

(2) NFCコイルの構造

  • 導体材質:銅線が主流
  • 形状:平面コイル(アンテナ)として形成
  • 巻数:通信距離や用途に応じて調整
  • サイズ:小型デバイス向けは数mm~数cm

(3) コイル設計のポイント

  • インダクタンス:13.56MHzのキャリア周波数に最適化(約2~4μH)
  • Q値(品質係数):高Q値のコイルほど効率的な通信が可能
  • マッチング回路:インピーダンス調整で通信効率を向上

(4) NFCコイルの課題と対策

課題

対策

磁界干渉 フェライトシートでシールド
伝送効率の低下 コイル設計の最適化
ノイズ ノイズフィルタリング技術の導入

NFCコイルの設計は、通信の安定性や電力効率に直結するため、用途に応じた最適化が必要です。

まとめ:NFCの活用には最適なコイル設計が不可欠!

NFCは決済やアクセス管理、データ通信など多岐にわたる分野で活用されており、その性能を最大限に引き出すには、適切なコイル設計が欠かせません。プロネックでは、NFCコイルの設計・製造に関する技術相談を承っております。NFC対応製品の開発を検討されている方は、ぜひ WEBお問い合わせフォーム からお気軽にご相談ください。

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