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コイルのオーバーモールドに最適な樹脂材料の選び方

コイルのオーバーモールド加工では、適切な樹脂材料の選定が重要です。オーバーモールドに使用される樹脂材料には、絶縁性、耐熱性、耐薬品性、耐衝撃性などの特性が求められます。以下、代表的な樹脂材料の特徴を解説し、用途に応じた選び方のポイントについてご紹介します。

代表的なオーバーモールド向け樹脂材料とその特性

材料 主な特性 絶縁性 耐熱温度(℃) 耐薬品性 耐衝撃性 難燃性 用途例
エポキシ樹脂 高い耐熱性と絶縁性。優れた接着力でコイルに密着可能 非常に高い 120~180 良い 難燃グレードあり 変圧器、電子回路絶縁
ポリアミド(ナイロン) 高い強度と耐衝撃性。吸湿による特性変化に注意 高い 130~200 良好 高い 難燃グレードあり 自動車部品、電子デバイス
ポリフェニレンエーテル(PPE) 耐熱性と電気絶縁性に優れる。低吸湿性 高い 130~180 良好 中~高 UL94 V-0 高周波部品、電子機器
ポリカーボネート(PC) 透明性、衝撃性に優れるが、耐薬品性は中程度 高い 120~140 非常に高 難燃グレードあり 電子機器、家電部品
ポリブチレンテレフタレート(PBT) 耐薬品性と寸法安定性。強度・耐熱性も高い 高い 120~170 非常に良い 高い UL94 V-0 車載部品、コネクタ類
熱可塑性ポリウレタン(TPU) 柔軟性があり、耐摩耗性に優れる 中程度 100~140 中~良好 非常に高 難燃グレードあり ケーブル被覆、保護カバー
シリコーン樹脂 優れた耐熱性と柔軟性。電気絶縁性も高い 高い 150~250 良好 高い 難燃グレードあり 高温環境の電気絶縁

材料選定のポイント

各材料の特性を踏まえ、用途に合わせて最適な樹脂材料を選定することが大切です。

  • 絶縁性: 高周波や大電流を扱う場合には、エポキシ樹脂やポリフェニレンエーテル(PPE)のような絶縁性の高い材料が推奨されます。
  • 耐熱性: 高温環境で使用される場合には、高温環境下でも形状と性能を維持できるシリコーンやエポキシ樹脂が適しています。
  • 耐薬品性: 油や薬品に触れる可能性がある場合には、ポリアミド(ナイロン)やポリブチレンテレフタレート(PBT)を選ぶ必要があります。
  • 柔軟性と耐衝撃性: 衝撃や振動にさらされる場合には、ポリカーボネートや熱可塑性ポリウレタン(TPU)が選ばれます。

まとめ

コイルのオーバーモールドに使用される樹脂材料は、その特性を十分に考慮して選定することが重要です。製品の用途や使用環境に合わせ、絶縁性や耐熱性、耐薬品性、耐衝撃性のバランスを見極めて最適な材料を選ぶことで、コイル製品の信頼性を向上させることができます。

弊社プロネックでは、お客様の製品仕様に合わせたコイルのオーバーモールド設計を承っております。樹脂材料に関するご相談は、ぜひプロネックのWEB問い合わせフォームよりお問い合わせください。

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