丸線と平角線どちらを選ぶ?平角線への切り替えで解決できること
丸線空芯コイルを使用している中で、「もっとコンパクトにしたい」「放熱性を高めたい」といった課題を感じたことはありませんか?
そのような場合、平角線コイルへの変更が解決策になるかもしれません。
本記事では、丸線コイルと平角線コイルそれぞれの特徴を比較し、変更に伴うメリットとデメリットを解説します。
平角線コイルの主なメリット
- スペース効率の向上
平角線は丸線よりも密に巻くことができ、コイル全体の体積を小さく抑えることが可能です。そのため、製品の小型化において大きなメリットとなります。また、巻き数を増やすことも容易になるため、性能の向上にも寄与します。 - 優れた熱管理性能
平角線は表面積が大きく、熱を効率よく放散できる特性があります。高電流が流れる用途や熱がこもりやすい設計の場合でも、過熱リスクを軽減できるため、信頼性の高い製品作りが可能です。 - インダクタンスの向上
コイルの形状や巻き方によっては、平角線にすることで磁場効率が改善され、より高いインダクタンスを得られる場合があります。特に高性能な回路設計を必要とする場面では重要なポイントです。 - 機械的強度の強化
平角線は丸線よりも剛性が高く、振動や衝撃に対して強いという特性があります。これにより、自動車や産業機器など、耐久性が求められる分野でも信頼して使用できます。
平角線コイルのデメリット
- 製造コストの増加
平角線は製造工程が複雑で、丸線よりもコストがかかる場合があります。量産時の費用対効果をしっかりと見極めることが必要です。 - 巻き取りの難しさ
断面が長方形の平角線は、丸線と比べて巻きにくい傾向があります。自動巻き機を使用する場合も、調整や治具の準備が必要となるため、手間が増える可能性があります。 - 接続作業の困難さ
端子処理やハンダ付けにおいて、平角線は丸線よりも難易度が上がる場合があります。特に接触面の確保や接続の安定性を確保するためには、特殊な技術や工具が必要になることもあります。 - 電気的特性の変化
平角線への変更により、インピーダンスやQ値といった電気的特性が変化し、回路設計に影響を及ぼす可能性があります。設計段階での慎重な検討が求められます。
まとめ
平角線コイルへの変更は、スペース効率や熱管理、耐久性といった性能面で大きなメリットがありますが、製造コストや巻き方、接続作業の難しさといったデメリットも伴います。最適な選択肢を見つけるには、製品の用途や設計目標を明確にしたうえで、専門家と相談しながら進めることが重要です。
株式会社プロネックでは、豊富な実績と専門技術をもとに、お客様のニーズに最適なコイル設計をご提案しています。平角線・丸線いずれのコイルにも対応しており、設計から試作、量産まで一貫してサポート可能です。
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