
こんにちは、プロネックです。
今回は、弊社が自社で開発した平角線α巻き巻線機についてご紹介します。
コイルにはさまざまな巻線方式がありますが、通常の整列巻きとα巻きでは、巻き始め・巻き終わりの取り回しに大きな違いがあります。
通常のコイルは、巻き始めが内側、巻き終わりが外側に配置されます。一方、α巻きコイル(アルファ巻きコイル)は、巻き始め・巻き終わりともに外側に配置される巻線方式で、精密コイルや小型部品において採用されるケースが増えています。さらに平角線を用いたα巻きは、占積率や電磁特性を最適化するうえで有効なアプローチです。丸線とは異なる設計思想が求められるため、巻線技術そのものが製品性能を左右します。
平角線×α巻きの技術的メリット
- 高占積率・低抵抗
平角線は断面が矩形であるため、隙間が生じにくく銅充填率を高めやすい特長があります。
その結果、同一外形寸法でも直流抵抗(Rdc)の低減が可能となり、高効率化に貢献します。 - 高周波特性の改善
α配置により導体配置の偏りを抑制でき、表皮効果や近接効果の影響を緩和しやすくなります。渦電流損失の局在化を抑える設計が可能となり、高周波用途における性能向上が期待できます。 - 放熱性・信頼性の向上
平角線は面接触が増えるため、熱が逃げやすい構造です。また、応力集中を分散できるため、耐振動・耐疲労特性の面でも有利となります。
設計・製造上の注意点
一方で、平角線α巻きは設計・製造ともに難易度が高い技術です。
- 巻線設備と条件設定が非常に重要(線材姿勢制御・テンション管理が鍵)
- 絶縁皮膜の耐摩耗性に対する配慮が必要
- 試作段階ではFEM解析と実測評価の両立がほぼ必須
単に「巻ける」だけでなく、再現性を確保しながら量産対応できる体制が求められます。
自社開発 平角線α巻き巻線機の仕組み
弊社では、平角線α巻き(2層)専用の巻線機を自社で開発しました。
通常の空芯コイル巻線機と同様に1層目から巻線を開始すると、巻き始め線は内側に配置されてしまい、α巻きにはなりません。そこで弊社の設備では、まず1層目に必要な線材量を事前に巻き取り、巻線機内で保持します。
その後、巻芯に2層目を先に巻線し、最後に保持していた線材を用いて1層目を巻線する工程を採用しています。このプロセスにより、巻き始め線と巻き終わり線をともに外側へ配置することが可能となります。
設備画像は掲載できませんが、本設備を用いて平角線α巻きコイルの製造実績を積み重ねており、実案件としてお客様よりご依頼をいただいております。
主な用途
- EV/HEV用モータ・インバータリアクトル
- 高効率電源トランス
- 高電流・高周波リアクトル
高効率化・高密度化が求められる分野において、平角線α巻きは有力な選択肢の一つです。
まとめ|設計段階からご相談ください
平角線α巻きは、占積率・電磁特性・信頼性の観点で大きなメリットがある一方、巻線技術と設備対応力が不可欠です。プロネックでは、設計検討段階からの技術相談、試作対応、量産化まで一貫してサポートいたします。「この仕様は実現可能か」「丸線との比較評価をしたい」といったご相談も歓迎です。
ぜひお気軽に、WEBお問い合わせフォームよりご相談ください。