ボビン巻きコイルの量産最適化|自動化・多数個取りの技術

自動巻線機のイメージ1

ボビン巻きコイルとは?

「ボビン巻きコイル」とは、ボビン(bobbin)と呼ばれる成形品に銅線を巻き付けて作られるコイルを指します。電気的・機械的に安定した構造を持つため、電子部品として非常に幅広い用途に利用されています。

● 基本構造

ボビン:
電子部品においてコイルを巻くための絶縁構造体です。材質はPBTやナイロンなどの樹脂が一般的で、電気的・機械的・熱的な特性を担保する重要な要素となります。ボビンの品質は、コイルやトランスの性能・信頼性を大きく左右します。

銅線:
主に絶縁皮膜を施した銅線を使用し、導電性・熱耐性・絶縁性のバランスが求められます。

端子ピン:
巻き始め・巻き終わりの線を固定し、外部回路に接続するための金属ピンです。

ボビン巻きコイルは構造がシンプルなようでありながら、最終用途に応じた巻線精度、テンション管理、冶具精度が品質を左右するため、量産設備と技術の最適化が非常に重要です。

技術詳細|プロネック自社製「ボビン巻コイル巻線機」の特長

プロネックでは、自社内で開発したボビン巻きコイル巻線機を活用し、安定した品質と高効率な量産体制を構築しています。以下では、現場で評価されている主な特長をご紹介します。

1. 全自動巻線による高い生産性

自動巻線機のイメージ1

ボビンをセットしてスイッチを押すだけで、巻線工程がすべて自動で進行します。

  • 巻回数や巻線条件はあらかじめ設定可能
  • 巻き終わり後は自動停止
  • 製造ラインへの組み込みも容易

また、定期的な抜き取り検査を行うことで、量産における安定した品質を確保しています。

2. 設備・冶具の追加工による「多数個取り」

自動巻線機のイメージ2

プロネックでは、冶具のカスタムや設備の最適化により、多数個取りで効率的な生産が可能です。

多数軸構成や、1本の軸に複数のボビンをセットできる冶具を用いることで、同じ工数で巻けるコイル数量を増やすことができます。

ただし、多数個取りには、ボビン側が条件を満たしている必要があります。

  • 寸法のバラつきが小さいこと
  • 冶具に確実に固定できる形状であること
  • ガタつきがなく、巻線精度を保てる構造であること 等

プロネックでは、条件を満たすかどうかを丁寧に検討し、最適な仕様をご提案しています。

3. 生産ラインへ直接設置できるコンパクト設計

巻線機本体は製造ラインに直接組み込めるコンパクトサイズです。
そのため、

  • 他工程との連携が容易
  • 導入後のレイアウト変更が最小限
  • 段取り替え時間の短縮

など、生産体制全体の効率化につながります。

コンパクトながらも必要な巻線精度と安定性を確保しており、量産現場で高い評価をいただいています。

まとめ

ボビン巻きコイルの試作や生産をご検討中の皆さまへ。
プロネックでは、自社開発の全自動巻線設備と、現場で蓄積してきた巻線技術により、安定した品質と高い生産効率を実現しています。

また、海外工場での量産を検討されている場合も、弊社タイ工場で小ロットから量産まで柔軟に対応が可能です。多数個取りの相談、冶具設計、巻線条件の最適化など、具体的なお困りごとにも技術スタッフが丁寧に対応します。

ご見学のお申込みや各種お問い合わせは、WEBお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。