エコ素材「アルミ線」でコイルが進化!メリットと設計のポイント

近年、電気自動車や航空機、産業機器などで軽量化や環境配慮が求められる中、銅線コイルからアルミ線コイルへの切り替えが注目を集めています。
価格の安定性やエコフレンドリーな素材としての評価を背景に、アルミニウムの需要は年々増加しており、さまざまな地域での生産と流通が進んでいます。今後、アルミ線は持続可能性の観点からも重要な選択肢となっていくことが予想されます。
本記事では、アルミ線コイルのメリットと、それに伴う設計・製造上のポイントについて、わかりやすくご紹介します。
アルミ線コイルの5つの特長と効果
1. 軽量化により製品全体の効率向上
アルミは銅に比べて約3分の1の密度であり、同じ体積でも大幅に軽くなります。これにより、コイルそのものの重量が減るだけでなく、製品全体の軽量化に貢献。特に、電気自動車やドローン、航空機などではこの軽量性が燃費や稼働時間の向上に直結します。
2. 優れた耐食性で長寿命化をサポート
アルミは空気中で酸化被膜を自然に形成するため、一定の耐食性があります。これにより、湿気や塩分、薬品などにさらされる環境下でも安定した性能を発揮。長期使用を見越した設計が可能になります。
3. 電気抵抗と設計の工夫
アルミは銅よりも電気抵抗が高いため、同じ電気性能を持たせるにはより太い線径や巻き数の調整が必要です。こうした変更には設計の工夫が求められますが、用途に合わせた最適設計を行えば、効率や性能を損なうことなく実用化が可能です。
4. 熱伝導性とのバランス
銅と比べてアルミの熱伝導率は低いため、同等の冷却性能を得るには放熱設計の工夫が必要です。ただし、巻き方や構造の最適化により、熱効率を維持したコイル設計も十分に実現できます。
5. 加工・接続における注意点
アルミ線は柔らかく変形しやすい性質を持っているため、接合や巻線時の破断防止や接続品質の確保が重要です。たとえば、専用の圧着端子の使用や、接合部の補強設計など、工程の最適化が求められます。
アルミ線化を成功させるには?
アルミ線への切り替えは、単に材料を置き換えるだけでは成立しません。銅とは異なる特性(電気抵抗・熱伝導・柔軟性など)に合わせた設計と製造工程の最適化が不可欠です。
こうした特性を理解した上で、適切な設計を行えば、軽量化・耐食性・環境配慮といったメリットを十分に活かすことができます。
まとめ|アルミ線は軽量化と環境配慮を両立する巻線材
これからのものづくりにおいて、環境性能と機能性の両立はますます重要になっています。アルミ線は、そうしたニーズに応える、新たな選択肢として注目されている巻線材料です。
株式会社プロネックでは、これまでの豊富な実績をもとに、アルミ線コイルの設計支援から製造まで、お客様のご要望に合わせた最適提案を行っています。
「アルミ線でどこまで性能が出せるのか知りたい」「既存製品に応用できるか相談したい」など、気になる点がございましたら、お気軽にWEBお問い合わせよりご相談ください。